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今日、こんなことがあった。
先日ある企業の面接を受けた際、人事の担当者は面接の終りに、なにか質問がありますか?と僕に聞いた。僕は技術者の業務内容に興味があると答えると、人事の担当者はそれに対しすぐ、「じゃあ、その技術者に会わせましょう」と言い、僕のスケジュールを尋ねた。僕は直近で3月19日が空いていますと答えると、「じゃあその日にまた本社で面談を行いましょう」とそれまたすぐに答えた。
今日3月19日。
僕は約束通り本社に向かう。着くとすぐに応接室に通され、そこには船舶向け製品の責任者の技術者の方が待っていた。技術者の方は「今日はなんでも聞いてください」と僕に言い、僕らは1対1の懇談を行った。僕はあらかじめいくつかの質問を考えていたので、それらを質問し1時間程度具体的な業務内容や職場の環境などについての話をした。ある程度話がはずみ、昼が近づいたとき、応接室に総務の方が入ってこられ、「お昼ごはんを食べに行きましょう」と言った。僕は心の中で「マジで」と言った。いや申した。僕はトイレへ向かい、これは・・・まさか・・・と現状を把握しようと頭を回転させた。僕は今日はただの面談だと把握していたので、まさかこんな展開を見せるとは考えてもいなかった。僕がトイレから出ると、技術者の方と総務の方が待っておられ、僕は「お待たせしました」と慌ててバッグを持った。
3人は会社から5分程度のホテルへ向かい、料亭的な和食屋さんに入る。なんていうか、恥ずかしながら僕は、ランチが基本的に二千円程度するお店などには、立ち入った事がなく、まさかの展開にかなりの動揺を感じた。当たり前だが最も安いランチであった魚の煮付けの定食を注文した。食事中に、2人は僕に対していくつか日常的な質問をしたり、自身の業務の話を和やかにお話ししてくださり、僕はそれに対して同様に和やかに答え、雑談を1時間程度した。技術者の方がトイレに立ち、総務の方と僕の2人きりになったとき、総務の方は僕に「とりあえず選考はこれでおしまいです。選考結果は1週間後くらいに連絡します。」とおっしゃった。僕は、一瞬たじろぎ、「わかりました。」と答えた。
ホテルを出ると、総務の方とはここで別れ、僕と技術者の方は2人で駅まで一緒に帰った。(この人は僕と懇談するためだけに甲府の工場から今日は出張していた。)僕らは駅に着くまで雑談し、最近の会社の雇用状況についての話をした。今年はニュースでも多く報じられているように、団塊の世代の技術者が大量に定年退職し、それによって新卒採用がどこの企業においても活発で、特に技術系学生の獲得競争が激しい。小規模、中規模の企業側は学生を確保するのが難しい状況で、内定を出しても、企業が学生に選ばれる立場となり、なかなか採用数を増やせない。今年入社する新卒者も集めるのが大変だった、と技術者の方は僕に話した。何度も会社の人手の足りなさを(面白く)話し、僕にぜひ来てほしいと言うような旨の話をした。駅に着くと、「私はここで待ってますので先にどうぞ」と同じ路線なのだが、その人は僕を見送った。
今日懇談を行った会社は、僕が初めて就活した企業である。
初めて参加した説明会が、この企業のものであり、僕が参加した理由は、早くに選考を開始するので、就職活動の練習になると思ったからである。大企業ではないが決して小さくない企業であり、僕はあくまで勉強のためという理由だけで、この企業の選考を受けた。僕の初めての面接もこの企業のもので、そのとき技術者の業務内容に興味があると言ったことで、今日がセッティングされた。今日出会った技術者の方は、とても素晴らしい方で、いつでも気をつかっているような言葉を話し続けて頂き、あくまでも僕の就職活動の応援をしてくださった。僕は現在、内定はまだないが、最終面接を控えた企業が2つあり、いずれも今日の企業よりも大きく、当初から目指していた仕事内容である。つまり今日の会社は志望度がとても低い。僕はこれを踏まえた上で、気持ち半分で今日技術者の方と話をし、食事をした。
僕は就職活動をなめていた。大学受験の感覚で活動していたことが最大の間違いであった。今日出会った技術者の親身な姿勢を、感じれば感じるほど心が痛くなり、僕は帰りの電車で憂鬱になった。就職活動は僕ら学生が選考を受けるだけではなく、さらに大学受験のように点数や能力だけで機械的に合否が決まるものではない。企業と学生の人間関係の下で、採用が決まると僕は今日痛感した。企業を選べる時代に就職活動をしているからといって、僕には選ぶ倫理観が足りなかったように思う。僕のような生半可な対応が最も残酷で困らせてしまうのだろう。今日は一生忘れられない経験ができたと思う。
先日ある企業の面接を受けた際、人事の担当者は面接の終りに、なにか質問がありますか?と僕に聞いた。僕は技術者の業務内容に興味があると答えると、人事の担当者はそれに対しすぐ、「じゃあ、その技術者に会わせましょう」と言い、僕のスケジュールを尋ねた。僕は直近で3月19日が空いていますと答えると、「じゃあその日にまた本社で面談を行いましょう」とそれまたすぐに答えた。
今日3月19日。
僕は約束通り本社に向かう。着くとすぐに応接室に通され、そこには船舶向け製品の責任者の技術者の方が待っていた。技術者の方は「今日はなんでも聞いてください」と僕に言い、僕らは1対1の懇談を行った。僕はあらかじめいくつかの質問を考えていたので、それらを質問し1時間程度具体的な業務内容や職場の環境などについての話をした。ある程度話がはずみ、昼が近づいたとき、応接室に総務の方が入ってこられ、「お昼ごはんを食べに行きましょう」と言った。僕は心の中で「マジで」と言った。いや申した。僕はトイレへ向かい、これは・・・まさか・・・と現状を把握しようと頭を回転させた。僕は今日はただの面談だと把握していたので、まさかこんな展開を見せるとは考えてもいなかった。僕がトイレから出ると、技術者の方と総務の方が待っておられ、僕は「お待たせしました」と慌ててバッグを持った。
3人は会社から5分程度のホテルへ向かい、料亭的な和食屋さんに入る。なんていうか、恥ずかしながら僕は、ランチが基本的に二千円程度するお店などには、立ち入った事がなく、まさかの展開にかなりの動揺を感じた。当たり前だが最も安いランチであった魚の煮付けの定食を注文した。食事中に、2人は僕に対していくつか日常的な質問をしたり、自身の業務の話を和やかにお話ししてくださり、僕はそれに対して同様に和やかに答え、雑談を1時間程度した。技術者の方がトイレに立ち、総務の方と僕の2人きりになったとき、総務の方は僕に「とりあえず選考はこれでおしまいです。選考結果は1週間後くらいに連絡します。」とおっしゃった。僕は、一瞬たじろぎ、「わかりました。」と答えた。
ホテルを出ると、総務の方とはここで別れ、僕と技術者の方は2人で駅まで一緒に帰った。(この人は僕と懇談するためだけに甲府の工場から今日は出張していた。)僕らは駅に着くまで雑談し、最近の会社の雇用状況についての話をした。今年はニュースでも多く報じられているように、団塊の世代の技術者が大量に定年退職し、それによって新卒採用がどこの企業においても活発で、特に技術系学生の獲得競争が激しい。小規模、中規模の企業側は学生を確保するのが難しい状況で、内定を出しても、企業が学生に選ばれる立場となり、なかなか採用数を増やせない。今年入社する新卒者も集めるのが大変だった、と技術者の方は僕に話した。何度も会社の人手の足りなさを(面白く)話し、僕にぜひ来てほしいと言うような旨の話をした。駅に着くと、「私はここで待ってますので先にどうぞ」と同じ路線なのだが、その人は僕を見送った。
今日懇談を行った会社は、僕が初めて就活した企業である。
初めて参加した説明会が、この企業のものであり、僕が参加した理由は、早くに選考を開始するので、就職活動の練習になると思ったからである。大企業ではないが決して小さくない企業であり、僕はあくまで勉強のためという理由だけで、この企業の選考を受けた。僕の初めての面接もこの企業のもので、そのとき技術者の業務内容に興味があると言ったことで、今日がセッティングされた。今日出会った技術者の方は、とても素晴らしい方で、いつでも気をつかっているような言葉を話し続けて頂き、あくまでも僕の就職活動の応援をしてくださった。僕は現在、内定はまだないが、最終面接を控えた企業が2つあり、いずれも今日の企業よりも大きく、当初から目指していた仕事内容である。つまり今日の会社は志望度がとても低い。僕はこれを踏まえた上で、気持ち半分で今日技術者の方と話をし、食事をした。
僕は就職活動をなめていた。大学受験の感覚で活動していたことが最大の間違いであった。今日出会った技術者の親身な姿勢を、感じれば感じるほど心が痛くなり、僕は帰りの電車で憂鬱になった。就職活動は僕ら学生が選考を受けるだけではなく、さらに大学受験のように点数や能力だけで機械的に合否が決まるものではない。企業と学生の人間関係の下で、採用が決まると僕は今日痛感した。企業を選べる時代に就職活動をしているからといって、僕には選ぶ倫理観が足りなかったように思う。僕のような生半可な対応が最も残酷で困らせてしまうのだろう。今日は一生忘れられない経験ができたと思う。
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いい話だなあ
辛く苦しい面も含めて、いい体験談だなあと思いながら読みました。すばらしい教訓。
中小メーカーの人事をやっている父も、
「ぜひ来て欲しいと思うような優秀な学生ほど、内定だしても他に行ってしまう。ウチが欲しがる人は他も欲しがるから」と嘆いてました。
会社の人が良い人達で、採用に必死なのも、そーしの葛藤もよく伝わりましたよ。
ただ、外部から見てると、予想外の逃げられない食事の場に誘い、情的に囲ったり、志望度の低さを見抜けない、見抜いていたならなおのこと、そういうことするのはどうなの?という、冷たい思いも生まれてしまった。
まあ、色々見きわめるための場でもあるんだろうけど。
書類すら通らない俺が言ったところでアレでした。がんばってくださえ。
そーしが就活をなめているなら、俺は舐める前に指先で転がしているレベル。
中小メーカーの人事をやっている父も、
「ぜひ来て欲しいと思うような優秀な学生ほど、内定だしても他に行ってしまう。ウチが欲しがる人は他も欲しがるから」と嘆いてました。
会社の人が良い人達で、採用に必死なのも、そーしの葛藤もよく伝わりましたよ。
ただ、外部から見てると、予想外の逃げられない食事の場に誘い、情的に囲ったり、志望度の低さを見抜けない、見抜いていたならなおのこと、そういうことするのはどうなの?という、冷たい思いも生まれてしまった。
まあ、色々見きわめるための場でもあるんだろうけど。
書類すら通らない俺が言ったところでアレでした。がんばってくださえ。
そーしが就活をなめているなら、俺は舐める前に指先で転がしているレベル。