コースター

休日の午後、趣味のごとくモスバーガーにて読書していたところ、隣のテーブルに不機嫌そうな母親と海老蔵似の父親、それらの息子の三人家族が座ってきた。はしゃぐ息子をあまりにも静かにたしなめている様子をみて、もしかして修羅場なんだろうかと勘ぐっていたのだけど、モスバーガーを食べ始めてからは小さい声ながらも家族の団らん風になり、なんだか一安心した。海老蔵似の父親は短髪で額にサングラスを乗せているので、本人も海老蔵似であることを意識しているのだと思う。

ところで今コースターについて良いものが無いか考えてる。まずモスバーガーのコースターはゴム製の円形プレートなんだけど、表面には溝が切られていて、コップを持ち上げたときに水気の表面張力でコースターが引っ付かないように工夫されてる。これはすごく良くて、コップの底にコースターがくっついたままアイスコーヒーを飲んでしまうなんて格好の悪い行為をしなくて済む。

ただ、コースターにはもうひとつ求められるべき工夫がある。それは持ち上げたコップから水滴が垂れないように、ある程度水滴を吸ってくれること。持ち上げたコップから水滴が垂れるとどうなるかというと、ズボンの腿辺りに染みが出来てしまう。テーブルの上に開いた本のページが滲んでしまう。テーブルの上が水滴だらけになってしまい、見た目上良くない。

でも良く考えると、コースターがコップに引っ付かないようにすることと、水滴を吸ってくれることは性質上相反している。

だからその辺に売られているコースターには満足できるものが無いんだろうね。

海老蔵似の父親達が今帰ろうとしている。